きっと世界は君のもの
『あたし、いつから遊ばれてたんだろ』
無意識に口から零れてた。
彼は六つ年上で、しかも有名人で。
あたしは高校生で、一般人で。
付き合い続けてたほうが可笑しかったのかもしれない。
そうだよね、芸能界はキレイな人いっぱいいるから。
こどもなあたしより、そっちの方がいいんだよね。
『あたし、好きだったよ。一葵のこと』
いまも好きだけど。
『それじゃ、邪魔してごめん』
「おい、春陽!」
ピッ、とボタンを押して携帯を閉じる。
『遊ばれてたのに、なんで謝ったんだろ』
ふつう怒るところだよね。
あたし、冷静すぎてるのかも。
『せっかくオシャレしたのに』
全部 意味なくなっちゃった。