呪いのテディベア Ⅱ
そうして時間がたつにつれ、
他のテディベアたちも
私たちの目の前に姿を現すようになった。
微笑んだ顔をした木藤。
泣いた顔の氷野。
怒った顔の神楽。
どれもこれも情人にとっては
可愛いとは到底得ないような顔した
テディベアの顔を被っている。
でも私にとっては可愛い。
愛おしい。
「みんな、愛しているわ。」
満面の笑みでそう言った私に、
皆は笑い返してくれた。
でも、私はわからなかった。
その笑みが、
私に対しての憐れみや侮蔑を込めた
笑みだということに。
狂った私は気がつかなかった。