月と太陽の事件簿12/新幹線殺人事件 静岡‐掛川間49・1キロの謎
「だったら伯父様の名前を出せば良かったのに」

どうせ調べられればバレる事なんだから。

「父さんや兄さんは忙しいと思って」

「…あたしならヒマだろうと?」

「迷惑もかからないし」

…あー、そうですか…。

「それに早くレミに会いたかったしね」

…!!?

「達郎、今なんて…」

「早くしろ、日野!!」

通路の方から、岸警部の怒鳴り声が響いた。
「は、はい!」

あたしはあわてて会議室を出ると、最後にもう一度、達郎の方を振り向いた。

「ガンバレよ」

達郎はにっこりと笑いながら、あたしに向かって手を振った。

その笑顔を見ながらあたしは思った。





どうやら達郎とは、これからちょくちょく顔を合わせることになりそうだ…。








『新幹線殺人事件 静岡-掛川間49・1キロの謎』
END

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