絶対純愛主義
あれから貴斗との間は何ら変わる事なく、毎日が過ぎていった。

相変わらず貴斗はいろんな女の子と一緒にいるし、私にも会えば何かと声はかけてくるけど適当にあしらっていた。

学校帰り、友達の買い物に付き合うため、駅前のショッピングモールに行った。

「真帆っ、プリクラ撮ろっ!」

「うんっ」

プリクラの前には数人が順番待ちしてる。

「並んでるねぇ」

「ここのプリクラ新しくなったからじゃない?」

機械が換わったらみんな試しにくるからなぁ。



撮影が終わったカップルが出てきたので、ふと視線を移すと…貴斗だった。

女の子は貴斗の腕をぶらさがるように抱え込んで甘えた視線で見上げている。

貴斗もそんな女の子に笑顔を向けていて、どう見ても仲のいいカップルだ。

貴斗が私に気づいて、一瞬目が合ったけど私はスイッと逸らす。

貴斗が遊んでるのはわかってるのに今さらだけど私は胸の奥がチクッとした。

何?この感じ?

貴斗が誰と何してよーが関係ないじゃん。
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