絶対純愛主義
「菅原。日誌頼むな」

「うん」

今日は日直。

実は日直が回ってくるのを密かに楽しみにしてる。

理由は佐伯くんとペアだから。

名前の順ってだけなんだけど、この時は何かと言葉を交わす機会も増えてウキウキしちゃう。

やっぱり佐伯くんっていいなぁ。

あの清潔感に優しげな笑顔。

どっかの誰かのチャラい何かを企んでるような笑顔と大違いよ。



日誌を職員室に戻して帰ろうとする私に後ろから声がかかった。

「菅原。日誌ありがと」

佐伯くん!

「ううん。持ってくだけだったし」

廊下を並んで歩くとふわっといい香りがした。

洗濯したての香りみたいで佐伯くんの清潔感にぴったり。

思わず口元が弛んでしまう。

「どうしたの?」

「ううん!何でもないっ」

危なーい!
にやけてるの見られちゃったかな?

何となく流れで佐伯くんと一緒に帰る事になってさらにウキウキ度が増す。



「腹減ったなー。ちょっと何か食ってかない?」

もちろん大歓迎。
今日は恋愛運よかったっけ?

二人でクレープ屋さんに入ってパクつきながら、どこの大学に進学するとか佐伯くんらしい真面目な話題で盛り上がった。
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