冷酷系女子
「でも、月島さんは好きな男いるもんね」
駅に着いて、電車を降りても彼の話はとまらない。
あたしに好きな人?
そんなのいるわけない。
あたしが黙っていると、冬木くんはまたフッと笑って言う
「ほら、"屋上で結城そらに告白"って」
あぁ…あの。
「でも実際は"空"のことなんだってね、そうだよね月島さんがあんな男のこと好きになる訳ないもんね」
やっぱり
彼は、その場にいた人じゃないとわからないことを知っている。
どれもたまたま居合わせたのかもしれないけれど…
なぜ、知ってるの?
「あぁ、チェーンメールで回ってたんだよ、知らない?」
あたしが聞くより先に、顔色を読んで答える。
嘘、橘くんに見せてもらったメールには、そこまで書いていなかった。
「そっか、月島さんって友達結城しかいないんだもんね、そりゃ回ってこないか」
ほら、あたしがそらと友達っていうことも、この人は知っている。
「でもあんな男に騙されちゃ駄目だよ、月島さん」
…なぜ?
さっきから、足が震えてる。
大勢の女の子に囲まれたって、怖いだなんて思ったことは一度もなかったのに
あたしは、この人が怖い。