カレシ
「恭センパァイ!!」
女の子達の甲高い声に、ビクッとして足を止める。
先輩はコンビニの出口で、二人の女の子に捕まっていた。
何だか見ては行けないような気がして、あたしは無意識に近くにあった木の後ろに隠れた。
なんであたしが隠れてんの~!?
バカだな~どうやってここから出んだよあたし!!
自分に突っ込みを入れると、木の陰からそっと先輩達を見てみる。
多分昨日の子達。
勇気あるなー…とちょっと関心してしまう。
あたしは耳を澄ませて、会話を聞こうとするけど、女の子達の騒がしい声しか聞こえない。
「アドレス教えてくださいよぉっ!!」
「あたしも知りたーい!!」
"先輩、なんて答えてるのかな"と見ていると、先輩は笑顔で二人に何か言いながらこっちに歩き出した。
やばっ!見つかったら怪しまれる!
あたしは先輩達を見るのをやめて、木の後ろで固くなる。
女の子達の声が大きくなる。
「キャハハっ!えぇ~絶対嘘しい!!」
ドッドッドッ
心臓が早くなる。
すると、先輩の声も聞こえてきた。
「まあそら嘘やけどな~悪いけど俺、彼女おんねん。せやからごめんな~」
「えぇ~っ!?同じ大学ですかぁ!?」
「ちゃうで~、でも彼女めっちゃこわいからな、メールしてたらブチ殺されんねん」
「あたし殺されてもいーしぃ!」
「ほんまにごめんな~」
先輩達が遠くなって行く。
木の陰に隠れていることはバレなかった。
でも…
"俺、彼女おんねん"
その言葉が頭の中で繰り返された。