死にたがり
中野の顔を眺めてみる。
いつも楽しそうな顔をしていて、こっちまで楽しくなりそうだ。
そんな中野も、自分がハブられていることに薄々は感づいているはず。
クラスは違うが、噂やら何やらで耳にしているはずだ。
だが、自分に対しての態度は昔っから変わっていなかった。
中野「ねぇ~、上条クーン、聞いてる?」
上条「ああ、聞いてるさ。その式はxを代入すれば解けるぞ。」
中野「・・・おー!さすが上条君!」
数学では学年で負けない自身がある。
この前のテストも満点を取った。
むしろ数学で点を落としている人が不思議でたまらない。
そんなうわ言を考えていると、中野がいつもは見せない真剣な顔をして話しかけてきた。
中野「上条君、中学に変わってから何かあったのかな?私、それがずっと心配だったんだけど・・・。」
やはり気づいていたようだ。
上条「そうだな・・・勉強が一段と難しくなったかな。」
中野「そうじゃなくて、その・・・友達関係とかで。」
上条「・・・別に変わったことないさ。小学校といつもどおりさ。」
中野「・・・そう。」
中野はそれ以上の深入りはしてこなかった。