死にたがり
2時間ぐらいしただろうか。

中野の宿題がきりのいい所で終わったのを見計らって、中野を家に帰らせた。

中野本人はまだまだ帰るつもりは無かったのだが、このあと用事がある、という嘘までついて無理やり帰らせた。

今後も、うちは結構忙しいから無理だと伝えて、なるべく来ないように、と後付した。


これ以上、自分と関わってしまうと、周りも放っておかないだろう。

中野には悪いが、これからの縁は切らせてもらう。

幼馴染ではあるが、これも中野本人にも、自分にも一番良い形になるであろう。

ためらいはなかった。




夏休みで出来事があったといえば、この日ぐらいだったと思う。

ひたすら暇で暇で何かの精神病にかかりそうだったが、ネットというひたすら広い世界を旅していると、気がつけば8月31日であった。


その日に、中野からメールが届いた。

『上条君、忙しいかもしれないけど、最後に私の宿題見てくれない?

ちょっとだけでいいから・・・ね?』


中野が顔文字も絵文字も使っていないメールなんて初めて見た。

まさか、まだ宿題が終わっていないなんて言わないよな・・・。

夏休みの最後ぐらいは会ってもいいかな。

中野に、OKの返事を送った。

< 6 / 7 >

この作品をシェア

pagetop