アイ・マイ上司とlove★battle
同行を静かに見守るだけの社長と違って、私の内心はただパニックなだけだもの。
コチラに鋭い視線しか向けない笹森さんを、涼子のように睨み返す事は出来ない…。
「ちなみに私は、笹森さんの入社時期にも疑問を感じます。
引き継ぎ要員ならば、もっと早くなされる筈だと思いますし。
お2人の動きから察するに、今回の件と関わりがありませんか…?」
「・・・・・」
そんな彼女の発言にまたしても驚き、隣り合って座る輝と笹森さんを捉えた私。
ただ輝を好きで好きで仕方ないから…、このモヤモヤした感じが息苦しいのに。
ねえ笹森さんがやって来た理由は、いったい何なのよ…?
「…彼女を呼び寄せたのは俺だ」
「え…、お兄ちゃん?」
「ああ――稲葉が不正出金に気づいた時点で、現場を押さえる為に頼んだんだ。
ていうか、稲葉の“ツテ”も使ってだけどな…」
話によると、ある社員がキャバクラ店で働くお気に入りの子が出来たらしく。
どうやらその子へ貢ぐようにして、接待交際費と称して不正出金をしていたらしい。
実はそのキャバクラは、笹森さんがOLとの兼業で働いてたお店という事もあり。
知り合いだという輝が頼み込んで、前職を解雇された彼女を引き抜いたそうだ…。