アイ・マイ上司とlove★battle
輝らしいシックな部屋には不釣り合いだけど、いつでも置いてある事が嬉しい。
…なんて。この状況では不利になるから、絶対に言わないけどね――
「それなら、何が聞きたい?」
ギュムーとハート形を崩した、可哀想なクッションへ顔を埋めてから暫くすると。
空いている隣のスペースへ、ゆっくり身を沈める音とともに香りが鼻に届いた。
「鈴ちゃんの聞きたいコト、何でも答えるよ?」
「・・・」
オリエンタルな香りにドキッとして、反射的に顔を上げそうだったけど我慢する。
聞き捨てならない嬉しい誘惑つきだし、何とも惜しい気がしてならないけど。
ソレでも。ここまで粘って来た私の初・頑張りが意味ゼロになるじゃない…。
「鈴ちゃん、聞いてる?」
「・・・っ」
「りんちゃーん」
必死に堪えて俯いたままの私に対して、お得意のアマイ声色を響かせるから。
「・・・いま」
輝はズルイ、ズルイ、ズルすぎる…!どうやってもコッチの負けじゃない…!
「うん?」
勝手に口が動き始めたのは、ドジな私にトラップばかりを仕掛ける彼のせいよ…?