アイ・マイ上司とlove★battle
何故だか涼子が、プッ…と堪え切れなかったらしい吹き出し笑いをした瞬間。
「「ハハハッ」」
「さすが鈴…!」
輝が笑いながらプラスした言葉は、どう考えても褒められて無いよね…?
「お兄ちゃん、だから鈴とは友達なのよ。サイコーでしょ?」
「ハハ、確かに…!」
この兄妹だってそうよ…、2人で勝手に私で盛り上がってくれてるけども。
ねぇ…、私がこの場の皆に笑われている理由は、いったい何か教えてよ…――
「鈴ちゃん、まーだ怒ってんの?」
「っ、知らない…!」
あれから久しぶりに2人で帰宅したのは、すっかり通い慣れた輝のマンション。
色々と不安にさせられたうえ、最後の最後で散々笑われた私はすっかり不機嫌だ。
タイミングを見計らっては尋ねてくる輝は、やっぱり女性の扱いが慣れてるし。
そんな所を発見する度、また怒りのボルテージが上昇して行くから仕方ない。
「どーせ、また誤魔化すんでしょ…!」
ブラックレザーのソファで体育座りをしながら、クッションに顔を埋めている現在。
私がインテリアショップで見つけた、ハート形の低反発クッションは無残だろう。