*センパイの隣-Love for me?-
先輩に出会ったのは、千春より前だった。
中学生にはいったばかりの私が、気取って街を一人で歩いているときに、声をかけてくれたのが千花先輩だった。
「そこのお嬢さん、若いのに危ないよ?」
そういって振り返ると、年の変わらない学ランをきた少年がいた。
「あなたも、若いじゃないですか。」
「俺は、男だから大丈夫なの。君は女の子でしょ??歳は?名前は?」
「13..美憐。」
ぼそっと呟くと、先輩はにっこり笑って私のことを見た。
「中学は同じみたいだね。俺はひとつ年上の14だよ。美憐ちゃんは弟と同い年だな。俺は、千花っていうんだ。よろしくなっ。」
優しい人だなっておもった。声も言い方も優しくて、とても不良には見えなかった。
「千花先輩は、なぜここにいるんですか??」
「まぁ、ちょっとな?美憐ちゃん、送るよ。」
そういって、差し出された手を私はぎゅっと握った。そして、
「美憐ちゃんじゃなくて、美憐って呼んでください。」
そういったら、先輩は「了解しました、美憐。」といって、にっこり微笑んだ。