*センパイの隣-Love for me?-
「俺の誕生日は誰にも祝ってもらえないかもしれないな。」
千花先輩は少し寂しそうだった。
『だったら、私が祝います!!』そんなことを言える立場じゃないってわかってるのに、どうしてこんな言葉が浮かんでくるんだろう?
「千花先輩、優真くんの誕生日、一緒に遊びませんか?」
千花先輩が目を大きくして振り返って私を見たので、私は女の子の顔をした。
「ありがとな、美憐。」
そういって、私の頭を撫でてくれる先輩は、やっぱり寂しそうだった。
本当は、千花先輩の誕生日も私と過ごしてほしい。でも、やっぱり・・・私には言えなかった。
私は千花先輩の妹みたいな存在で、彼女ではないのだから。
「美憐、勉強がんばれな?俺、応援してるから。受験に受かったら何でもしてやるよ。」
いつも私と別れるときに、そういって、にっこり笑う先輩に私はにっこり笑っているしかなくて。
「はい、千花先輩。いつもありがとうございます。」
そういうと、「美憐はいい子だ。」って私の頭を撫でてくれる。先輩はやっぱり私のことを妹としか思ってないんだな・・・って思う。