この晴れ渡る青空の下で
すると、彼は慌てて。



「いや、俺、身内も居ないし、友人はみんな忙しくて滅多に見舞いにも来ないし……だから、たまにはここにも顔出してもらえたら嬉しいなぁ……って、勝手に思っただけなんだけど……ダメ?」



その訊き方が子供みたいだったのと、『身内が居ない』って状況がうちと似ているので、つい笑顔で頷く。



それを見て彼は満面の笑みを浮かべ、ゲームを夢中でしてる愛子の頭を、『クシャ』っと撫でてみせた。

すると、愛子は顔を上げて日高さんを見て、嬉しそうにニコッと笑った。



お兄ちゃんがずっと目覚めないから、愛子も淋しいのかなぁ。



でも。

ゲームの話を楽しそうにしている日高さんと愛子を見ていたら、なんだか少しホッとした。

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