ダイヤモンド・ヒーロー




この3年間、咲良に手紙を出してはいたが……。

その手紙の全て、俺の名前は1つも無い。



“誕生日おめでとう”

たった一言、そう添えるだけ。


ある意味……。 ストーカーのように思われていたっておかしくない。

それでも……。



「――― 湊人に“おめでとう”って直接言われたい」


咲良のあの、照れたようにした顔が忘れられない―――。


だからこそ。 今年で最後だから、俺は絶対に―――。




< 132 / 200 >

この作品をシェア

pagetop