ダイヤモンド・ヒーロー
昇降口へ向かう階段を降りた。
その時、バタバタバタッと足音が近づいてくる。
「あのっ!」
「…… なに?」
昇降口に着いたら声を掛けられたので、振り向いた。
「野球部、ですか?」
美山が息を荒くして、立っていた。
「野球部だけど?」
「!!!」
美山の顔にパッと花が咲いた。
なにがそんなに嬉しいんだ?
よくわからないヤツ……。
「さっきグラウンドで“練習試合”やっていたよね」
コイツ…… 見ていたのか?
…… ん? でもコイツって被服室で“エプロン”を縫っていたんだよな?
サボっていたのか?