キミの心の声を聞かせて
オレンジ色に染まる空が、ゆっくりと濃い暗闇の世界へと落ちていく空の下
「ごめんね、家まで送ってもらっちゃって」
遊び過ぎて疲れて眠ってしまった瑠璃ちゃんをおんぶしながら歩くシュンの隣で空を見上げながら言った。
「いいって方向同じだし。ついでだよ
それに、1人はあぶねぇしな」
言い方は乱暴だけど、言葉の端々には思いやりがあって
第一印象では冷めた人だなって思っていたシュンは、本当は根は凄くあったかくて優しい人だと思った。
それに、女の子の気持ちにも敏感に感じてくれるし
「お前さぁ、なんか可愛くなった?」
「へっ?」
思わず照れて頬が赤くなってしまうような嬉しい言葉もさり気なく言ってくれる。
「な、なに突然そんな事言ってるの!?そんなことないよ!気のせいだよ」
からかってるだけでしょうと慌てて否定するあたしに
「あっ、バレた?」
真顔で言うシュン。
そんなにアッサリ言われて笑うしかないあたしは、いつの間にか笑顔になっていた。
この人は、本当に不思議な人だ。シュンを傷つけてしまったあたしの心を、彼なりの方向で軽くしてくれるのだから。
きっと、彼氏にするなら
シュンみたいな人が、あたしには合うのかもしれない。