キミの心の声を聞かせて
「なんだ、そんなことって…違うのか?」
おかしくなるぐらい真面目な顔で聞いてくるから、思わず吹き出してしまった。
「そんなに笑わなくてもいいだろう?」
あたしから笑われた事が恥ずかしかったのか?
ベンチの横の街灯の灯りに照らされた雄大先輩の頬が赤く染まっているのが見えた。
「だって、先輩が変な事を言うからいけないんじゃないですかぁ」
「じゃあ、違うのか?」
「違いますよ。なんであたしがシュンと」
あたしが好きなのは雄大先輩なんだよ。
「ありえないですよ」
ハッキリと言うと
「そっかぁ、よかった」
安堵の表情を浮かべたまま、雄大先輩の口から出た“よかった”の言葉に、ドキンと心は嬉しく弾む。