キミの心の声を聞かせて

「あのさぁ…智樺って…」


ゴクリと生唾を飲み込んだ。



「シュンと付き合ってるの?」



予想してなかった言葉に「はぁ?」間抜けなほど、素っ頓狂な声が漏れた。



この人は、一体何を聞いてくるんだろう?


もしかしたら、あたしの気持ち、バレてしまってるかもと悩んだあたしの苦悩は一体なんだったんだろう?



この人って、もしかすると、イヤ…もしかしてじゃなくて、とてつもなく鈍感なのかもしれない。


イヤ、確実に、絶対そうだ。



「はぁ…なんだ…そんなことか…」



体中の力が抜ける程の脱力感と共に、深いため息が、もう一度こぼれた。




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