キミの心の声を聞かせて
「いいだろう?ここ、俺の秘密の場所なんだよね」
「へぇ、そうなんだぁ」
平静なフリして言うけど、こんな誰もいない場所に、雄大と2人っきりでいる事で、あたしの心臓は壊れそうなぐらいバクバクしてる。
もう一度、ちゃんとお礼言わなきゃね…。
「雄大…あの…」
ドキドキしながら声をかけると「なに?」とあたしの顔を見た。
見られる度に心臓がウルサイ。
「助けくれて、ありがとうござました」と頭をペコリと下げた。
「お、おぉ」
「あと、これ…口元痛そうだから…」
バックの中からゴソゴソと取り出したカットバンを渡した。
「あっ、サンキュー」と片方の手で受けとり口元に触れながら、もう片方の手で受け取る雄大の指が
あたしの指に触れただけで、バクンと鳴り響く鼓動。
このまま、雄大への気持ちを隠すことなんて、あたし…できるのかな…?
もう既に溢れ出しそうな雄大への想いが苦しくて、胸元をギュッと掴んだ。