キミの心の声を聞かせて
なんか、色んなこと考えると、あたしと雄大って、釣り合ってるかどうか不安になってきた。


雄大は、誰から見てもカッコよくって優しいし人気がある。

それに比べて、あたしは至って普通だし。
おまけに、いじめられてた過去がある。

雄大は、そんな事を気にするような男じゃないってことは分かっているけど


自分の中で、いじめられていた過去に対して消えないコンプレックスを抱えているのは確かで。


無意識にどこかで“あたしなんて”と自分を蔑んで思っている部分もある。


だからなのか…時々、どうしようもないぐらい不安な気持ちに襲われるんだ…。


「智樺、どうした?さっきからボーっとしてるけど」


具合でも悪いのか?と顔を覗き込んでくる雄大。


「うぅん。なんでもない」


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