キミの心の声を聞かせて
この男の神経は、どんな神経をしているんだろう。
突然こんな場所に連れてきただけじゃなく
あたしの仲間だなんて。
そんな事、よく簡単に言えるよね?
「おい、ユウダイ。一緒にいる女誰?」
ベースを持っているツンとした頭の男の子が、あたしに近づいてきた。
まるで、自分が認めた人間以外は自分のテリトリー内に入ってくるなというような鋭い視線。
「まぁ、まぁ、ヨッシー。そんな目で見ると彼女怖がっちゃうだろう?せっかく最高の声の持ち主の女、連れてきたのに」
ヨッシーと呼ばれる先輩の機嫌をとりながら話す高村雄大。
クルリとそれまでヨッシーに向けていたカラダをあたしに向けて
「名前、教えてくれよ」と、またムカつくぐらいの爽やか笑顔で微笑んだ。