キミの心の声を聞かせて

「おい、ユウダイ。名前はいいから、なんでその子をここに連れてきたのか聞いてるんだよ」


ツンとした頭の男の子が、少しイラッとした表情で聞いた。


キーボードの男の子は、ただその様子をまた始まったよって表情で眺めている。


「ごめん、ヨッシー。そんなイラつくなって」


高村雄大が宥めるように言った。この3人の中で、高村雄大はムードメーカーみたいな存在みたいだ。

だからって、あたしには関係ないけど。

なんて考えていたあたしの耳に聞こえてきた言葉。



「うちの軽音部のボーカルだよ」



「「はぁー!?」」


あたしと、ツンとした頭の男の子の声が重なった。


冷たい瞳は「マジ?」と驚いている。



冗談じゃない。なんであたしが軽音部のボーカルしなきゃいけないの!?




< 41 / 402 >

この作品をシェア

pagetop