キミの心の声を聞かせて
「おい、ユウダイ。名前はいいから、なんでその子をここに連れてきたのか聞いてるんだよ」
ツンとした頭の男の子が、少しイラッとした表情で聞いた。
キーボードの男の子は、ただその様子をまた始まったよって表情で眺めている。
「ごめん、ヨッシー。そんなイラつくなって」
高村雄大が宥めるように言った。この3人の中で、高村雄大はムードメーカーみたいな存在みたいだ。
だからって、あたしには関係ないけど。
なんて考えていたあたしの耳に聞こえてきた言葉。
「うちの軽音部のボーカルだよ」
「「はぁー!?」」
あたしと、ツンとした頭の男の子の声が重なった。
冷たい瞳は「マジ?」と驚いている。
冗談じゃない。なんであたしが軽音部のボーカルしなきゃいけないの!?