キミの心の声を聞かせて

聴こえてくる軽快なリズムに、高鳴る鼓動。

部室のドアに耳をあてて、瞼を閉じて聴き入る。


この曲…カッコいいなぁ…。弾むビートにギターのメロディーが…カナリいい感じで。


凄い。この部でボーカルなんて…本当にできるの?


あたし、音楽の知識って全くないんだよね。


音符だって、まともに分からないし。

……だけど…。やってみないと分からないよね?


やるって、言ったんだもん。

それに、何かが変わるかもしれないし。
自分を信じてみよう。



そう思いながらも、このドアを開ける勇気がなかなか出ないでドアの前で、腕組みしながらウロウロと悩んでいたら


部室からメロディーが聴こえなくなった。


休憩?なのかな?


そうっと、ドアに近づき、聞き耳を立てて中の様子を伺おうとしたら


ドアが突然開いてビックリして

「うわっ!?」

バランスを崩した。



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