キミの心の声を聞かせて
前に倒れそうになっていたら、ポスンと、誰かの胸に鼻からぶつかった。
「イッタァ…」
痛みで顔をしかめて、鼻を手でおさえながら、上を見てみると
「あっ…」
雄大先輩と知らない先生がいた。
「智樺!!よく来たな!!」と明るい笑顔で迎えてくれる先輩。
「あぁ、君が新しいボーカル?まぁ、頑張れよう」と肩をポンと叩いて陽気な笑い声を上げて去っていく先生。
「さっきのが、うちの顧問の佐伯先生」
吹奏楽部の顧問もしてるから、滅多に来ないけどねと教えてくれる雄大先輩の後ろで
不機嫌そうな顔のツン頭…名前、確か…ヨッシ…がいた。
間近で見ると背、高いなぁ。180cmはある気がするよ。
「ど、どうも」
戸惑いながら言うと
「なんか、用?」
冷めた瞳で言われた。
なんか用と言われても。
「まぁ、まぁ、ヨッシーそんな風に言わないで」
脳天気に笑う雄大先輩。
本当に、大丈夫かなと少しだけ不安になった。