浮気女の嫁入り大作戦

「あーあー……間に合わなかったか」

 やれやれ、と奈緒の背中をさする沢田。

 涙目で嘔吐を続ける奈緒。

 守護霊として面目ない。

「水買ってくるから、歩道に入って」

「うん……」

 酒でこんなになったのは大学生ぶりだ。

 よっぽど電話越しの失態がショックだったのだろう。

 沢田の買ってきた水で少し落ち着き、奈緒はようやく立ち上がることができた。

「はぁ、あたしカッコ悪」

 弱音を吐く奈緒を沢田が笑う。

「ほんとだな」

「否定しなさいよ」

「できないよ。リアルにカッコ悪いし」

 拗ねた奈緒は眉間にしわを寄せて歩き出した。

 それを沢田が追う。

「ついてこないで」

「だから送るって」

「いい」

「よくない」

 ごねる奈緒にため息をついた沢田は、逃がさないように奈緒の手を取った。

 彼との付き合いの中で、手を繋いで歩いたのはこれが初めてだ。

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