咲と亮
精神に受けた大きなダメージをなんとか自己修復して、私と亮は教卓の前に立ち、
「…クラスの出し物決めま~す」
「…何かやりたいことがある人~」
学級委員らしく訊いてみる。
どうやら、このクラスの仲の良さは自分の組の学級委員がエロ本拾って、ヲタクでも気にしないくらい強固なものであるらしく、
「はいはーい …」
「はーい!あのね、…」
誰も気にしてなかった。
そして集まったクラスの意見を眺めながら、亮は呟く。
「これはあれか咲の好きな方向だな」
「ほ?」
「見てみ」
そう言われて亮に渡された紙を見る。
・模擬店
・カフェ!おしゃれな!
・このご時世メイドカフェだろ
・萌えるやつ
・コスプレしたい
うん。
みんなのやりたい方向は、コッチらしいね。さっきみんなにバレたばかりの私の好きな方向。うん好きだよコスプレとか。
なんだろ、普通に意見でたけど複雑。