咲と亮



精神に受けた大きなダメージをなんとか自己修復して、私と亮は教卓の前に立ち、

「…クラスの出し物決めま~す」
「…何かやりたいことがある人~」

学級委員らしく訊いてみる。



どうやら、このクラスの仲の良さは自分の組の学級委員がエロ本拾って、ヲタクでも気にしないくらい強固なものであるらしく、

「はいはーい …」
「はーい!あのね、…」

誰も気にしてなかった。


そして集まったクラスの意見を眺めながら、亮は呟く。
「これはあれか咲の好きな方向だな」
「ほ?」
「見てみ」

そう言われて亮に渡された紙を見る。

・模擬店
・カフェ!おしゃれな!
・このご時世メイドカフェだろ
・萌えるやつ
・コスプレしたい


うん。

みんなのやりたい方向は、コッチらしいね。さっきみんなにバレたばかりの私の好きな方向。うん好きだよコスプレとか。

なんだろ、普通に意見でたけど複雑。



< 35 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop