咲と亮
「て、話がずれてたわ。なあ美容院行かね?一緒に」
亮がまた上目づかいで覗きこみながら言う。
…うーん可愛いな。
…って、
「はい?一緒に?」
何だろ。何かの罠ですかこれは。
私、亮くんファンの女子に殺されて死亡フラグたっちゃう。
いやまじで亮くんファンクラブあるからね。
「…亮、どうしてかな?」
「いやーそろそろ髪切りたくてさあ」
「髪切れたいなら、1人で行きなよ」
…じゃないと切られるだろ。
私の身が。
亮のファンに。
「いや、カットモデル…?だっけか、そんなんしててさ」
「あ亮くんスゴイ」
そうだったんだ。
カッコいいもんな。中身は本当に別として!
「で今度また来ないか、と誘われたんだが、できれば女子1人も連れて来て欲しいって言われててさあ」
「…わかった。その女子1人を私で間に合わせるつもりなんだね亮くん」
「そーそーいいだろ?カットモデルだったら、タダで髪切れるぜ」
「………………」
「行きたいだろ~。なんたってお前の大好きなタダ」
しかも、まだ上目づかい継続中。
「い、行きたいです…」
くそう。タダって言葉に弱い…私は貧乏性。
ただ亮は仕方なく誘う、私はタダだから行く、ただそれだけ思っていたのだけれど、
放課後そのことを琉羽に話すと
「は?!!アンタそれ、デートでしょ!!デートっ!…てかアンタらいつの間に、そんなことになってんのよお!」
悲鳴あげる勢いで驚かれてしまった。
…亮、あれデートなのかい?
そういえば外で2人っきりで会うの、初めてだった。