咲と亮
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そんな感じの時期から、1ヶ月がたった。
さすがに話題にあがらなくなり、
もう8月突入。
夏休みである。
「おらよー!教え子たち、ダンボール回収し尽くしてきたぜー!」
「わー先生、どんだけスーパー回ってきたのさ!」
「いやあ、3つ回ったら車の中に入りきらなくなったわ。オレもまだまだだなー」
「先生リスペクトするぜ!」
「おお!まじか!立派な大人になれるぞ!」
「…こんだけウチのクラスでダンボールとっちゃってさ…。他のクラスはダンボール回収できるのかな」
ワイワイと賑やかな担任とクラスメイトを、一緒に眺めていた咲が呟いた。
「………」
教室の床から天井まで積まれたダンボールの山を見る。
「悪いのは、あの教師ってことで」