意地悪なキミと恋の勉強



「舞結、ごめん。

今日は残って雑用だって」


「あら、残念。
じゃ、頑張って」



「うん」



舞結は、さっさと出て行ってしまう。


朱里と二人きりか……



気まずいなぁ…




あたしは、自分の椅子に座って

朱里を待っていた。






しばらくして……



ガララッ


ドアが開いた。




「……朱里…」



たくさんのプリントを持った

朱里が入ってきた。




「今度は、折るだけでいいって」



「……わかった」




お互い、必要以上に喋らない。



そして




「船橋、ハサミ取って」




“李呼”って

言ってくれない……




「……はい」



「ありがとう」




そんなの………寂しいよ…



キスまでしといて……


今さらそんなのっ………






「………ズルいよ…」





.
< 111 / 371 >

この作品をシェア

pagetop