意地悪なキミと恋の勉強



「………朱里」


「ぇ……あぁ、瑞希か」




下駄箱へ続く階段


俺の背後に
同じ中学のヤツが立っていた。



前原 瑞希 マエハラ ミズキ


背は、李呼より低い。

まぁ、李呼はあんまり
低くないけど。


短めの茶色の髪を
毛先だけ巻いている

それなりにモテるヤツ。



中学二年の夏

付き合っていた
時期があった。


ま、俺が振ったんだけど。





「なに? 俺、急いでんだ」


「…何よ、元カノなのに
やけに冷たいわね」


「付き合ってたっけ?」




自分から振ったから


あまり関わりたくない。



好きじゃないのに
付き合っていた俺は

どうかしてたんだな。




「……私

朱里のために
この学校に来たの…」



「だから何?
まさか、やり直そうって?

ハハッ、バカにすんな」




強く言うと

瑞希の肩が震えた。



好きじゃない


そんなヤツと、付き合えない。



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