ACcess -焔-
「おい!こっちの方がさっきのより少し安いぜ、来てみろよ!」
「あ、本当だぁ!見せて貰っていいですかぁ?」
男女の剣士が君の隣に立ち止まった。
そしてそのままバイヤーのアイテムボックスを覗き込み、品定めを始めた。
君はその一組に場所を譲った。
「お、邪魔だね。
じゃあ、またなんかあったら!」
「こっちこそ、またよろしくな。」
挨拶もそこそこに、その場を離れた。
後ろからは、接客をするバイヤーの声が聞こえる。
「どうぞ遠慮なく見てって下さい。
他より札とかが高めだけど、その分回復系は安めなんで…ダンジョン行く前に揃えて貰ったら…。
そうそう…安いし…後は…。」
彼の言葉はゆっくりとフェードアウトしていき、そのうち聞こえなくなった。
あの剣士の一組を見てから、自分がすれ違う異性同士のパーティを自然に目で追っている事に気付いた。
「忍はあぁいうの、憧れるの?」
不意に口から出た言葉に君はたじろいた。
「…まぁ、楽しいのは好きだからね。」
「楽しくは…ないと思う。」
「えー?楽しいよ?
そりゃー…嫌な時もあるけどさ、でも面白いし楽しいかな?」
疑問形で返された。
嫌な時…。
何回か経験したことがあるような気がする。
記憶の隅を探す。
「そんなこと、思ったこと…ない。」
それが自分の答えだった。
「あ、本当だぁ!見せて貰っていいですかぁ?」
男女の剣士が君の隣に立ち止まった。
そしてそのままバイヤーのアイテムボックスを覗き込み、品定めを始めた。
君はその一組に場所を譲った。
「お、邪魔だね。
じゃあ、またなんかあったら!」
「こっちこそ、またよろしくな。」
挨拶もそこそこに、その場を離れた。
後ろからは、接客をするバイヤーの声が聞こえる。
「どうぞ遠慮なく見てって下さい。
他より札とかが高めだけど、その分回復系は安めなんで…ダンジョン行く前に揃えて貰ったら…。
そうそう…安いし…後は…。」
彼の言葉はゆっくりとフェードアウトしていき、そのうち聞こえなくなった。
あの剣士の一組を見てから、自分がすれ違う異性同士のパーティを自然に目で追っている事に気付いた。
「忍はあぁいうの、憧れるの?」
不意に口から出た言葉に君はたじろいた。
「…まぁ、楽しいのは好きだからね。」
「楽しくは…ないと思う。」
「えー?楽しいよ?
そりゃー…嫌な時もあるけどさ、でも面白いし楽しいかな?」
疑問形で返された。
嫌な時…。
何回か経験したことがあるような気がする。
記憶の隅を探す。
「そんなこと、思ったこと…ない。」
それが自分の答えだった。