君の全てを教えて。






「優斗ー!」




俺は声を上げた。




走りかけていた優斗が
こっちを見る。




「どっか行くの?」




「ん、学校。」





学校のわりには
私服だし何も持ってない。




嘉穂ちゃんかな。





直感で思った。




「嘉穂ちゃんだ?」




「ああ、まあな。」





嘉穂ちゃんに何か
あったのだろうか?




優斗がそわそわしている。













「嘉穂ちゃんに告白
しに行くの?」





それとも
自分のことを話すのかな。



俺も言っちゃったけどさ、



嘉穂ちゃんが変なら
それしか考えられない
けど。












「―・・・俺のこと
知ってもらって・・





そしたら言うよ。






嘉穂に好きだって。」







じゃあ急ぐから。



優斗はそう言って
走っていった。




「いーなあ!
青春!!」




伸びをしながら
俺は叫んだ。








何故だかあったかい
気持ちで胸がいっぱいに
なった。





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