LAST LOVE -最愛の人-
拓弥は唇を使ってシーツ越しに芽依の上半身を愛撫していく。へそ、脇、と徐々に上がっていき、シーツをずらし胸の突起を舌で転がす。

芽依の両腕から力が抜けるのを確認して、拓弥は満足そうに手を解いた。

そのまま芽依の泌部へと指を這わせる。

「…やっぱりもう一回シたかったんでしょ?」

粘着質な液体にまみれた指を芽依の目の前に差し出すと、拓弥は見せ付けるかのようにそれを自らの口に運んだ。



(違う…)


(確かに気持ちいいことは嫌いじゃない……でも、何か違うの………拓弥)


抵抗する力も無くした芽依は、与えられる波にただ身を委ねた。










「芽依、愛してるよ」








***





「あれ?」


授業が終わりキャンパスの門を出た瞬間、見知った顔を見つけた。


「おーい、莢木くーん、こんなとこで何してー…」


てのひらを振りながら背中に呼びかけた瞬間、我ながら考えが浅はかだったと言うことに気付かされる。

(莢木くんの学校は真反対なわけだし、こんなとこに一人で居るわけ無いよね…)

こちらに気付いた切れ長の翔の目が、芽依に向かって柔らかく笑みを返す。
と同時に、翔の傍らに居た女子の視線が突き刺さった。

「やっほ~結城サーン!」

ひらひらと脳天気に手を振り返す莢木がここぞとばかりに憎い。

何も悪いことをしているわけでは無いのだが、憎い。

ここまで来て知らん顔を決め込むわけにはいかない。

(今この二人超険悪ムードだったし…最悪)

「コホン。えと、こんにちは莢木君。またバイトで。それでは失礼します」

「えーどうせ同じ方向なんだから一緒に帰りましょうよ?」

「!!
ちょっと待ってよ翔!話はまだっ…!」

怒りと困惑からか震えの混じった声の主に、振り向いた翔の顔がいつも芽依や理子達が見ているものとは違った冷ややかなもので。
芽依は思わず目を見開いた。




「うるさい。
バイト遅れるから。この話はまた今度な」

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