憎悪の視線
植木鉢の出来事から一週間、私は怖くて家から一歩も出れなかった。もちろん家の中にいても、悪意に満ちた視線は感じるけれども、外で何かが起きるよりはましだった。
不安定な精神状態の私を心配した典男と百合子は、代わる代わる毎日私を訪ねてくれたので、心底ありがたいなぁと思う。
週末、気分転換に黄金岬に行こうかと、典男がガイドブックを持ってきて誘ってくれた。それは、私がずっと行きたがっていた有名なデートスポットで、どうやら典男はそれを覚えていてくれたのだろう。典男と一緒なら、誰かに狙われることはないのかもしれない。私は安易にそう考えていた。
典男が運転する車の助手席に座り、私は睡眠不足だったのだろうか、すぐ眠ってしまった。夢を見たのだけれど、夢の中で百合子が私をじっと睨んでいる。見たこともないような表情。まるで鬼や悪魔を連想するような……。悪魔ってまさか! 悪魔のような百合子は私に迫りナイフを突き出す。
「イヤー! 百合子やめて」
「おい、広子、広子、どうしたんだよ。急に叫ぶからビックリしたぞ。ほら、もう着いたよ」
不安定な精神状態の私を心配した典男と百合子は、代わる代わる毎日私を訪ねてくれたので、心底ありがたいなぁと思う。
週末、気分転換に黄金岬に行こうかと、典男がガイドブックを持ってきて誘ってくれた。それは、私がずっと行きたがっていた有名なデートスポットで、どうやら典男はそれを覚えていてくれたのだろう。典男と一緒なら、誰かに狙われることはないのかもしれない。私は安易にそう考えていた。
典男が運転する車の助手席に座り、私は睡眠不足だったのだろうか、すぐ眠ってしまった。夢を見たのだけれど、夢の中で百合子が私をじっと睨んでいる。見たこともないような表情。まるで鬼や悪魔を連想するような……。悪魔ってまさか! 悪魔のような百合子は私に迫りナイフを突き出す。
「イヤー! 百合子やめて」
「おい、広子、広子、どうしたんだよ。急に叫ぶからビックリしたぞ。ほら、もう着いたよ」