キミが居た病院

 やはりそこに居たのは、幼い頃に交通事故で亡くなった優香の父親だった。

 思わず駆け寄り、ぎゅっと抱きつくと、父親も同じように抱きしめてくれる。

 もう長いこと触れ合っていなかったが、触れ合った時の暖かさが一気に蘇ってきた。


 見上げると、優しい眼差しで優香を見返してくれている。

 もうこの表情を一生見れないと思っていたので、嬉しくて涙が溢れてきた。


 頭を撫でる大きな手も、体を包み込む大きな体も愛情に溢れていて、とても温かい。


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