キミが居た病院

 そして勢いよく扉に手をかけるが、なんと、扉はびくともしなかった。

「なっ!?」

 まるで、元々開かない扉の様に、押しても引いても動かない。

 後ろを振り返る勇気も無く、しゃがみこんで耳を押さえる。

 だが、耳じゃなく頭の中に直接声が響いてくる。

「ゆ、う」


「やだぁっ!! もう嫌だよ!!」

 優香は涙が止まらなかった。


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