キミが居た病院


 ベッドから降りて扉の手前に来た時、頭がズキッとした。

 季節の変わり目だし偏頭痛が再発したのだろう。

「どうぞー」

 頭を押さえながら扉を開けた優香は、一瞬頭の中がハテナで埋め尽くされた。

 だがすぐにそれは恐怖に変わった。



 そこには――誰も居なかったのだ。




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