キミが居た病院
イタズラをする様な相手なんて居ないし、仮に居たとしても見通しがいいので隠れる場所などない。
少し向こうの方から、慣れた手つきでカートを押しながら歩いてくるいつものおばちゃんの姿が見えた。
優香は半泣き状態で急いでおばちゃんの元へ走った。
お医者さんには走らないように言われてるけど今はそれどころじゃないよ!!
「ゆ、優香ちゃんどうしたの!? そんなにご飯待ち遠しかった!?」
おばちゃんは驚いた顔をしながらも愉快そうに笑っている。
当の優香は今にも泣き出しそうな顔をしていたので、周りから見たら変な光景だったかもしれない。