キミが居た病院
「はぁ~……」
安堵のため息が出た後、湿らせた紙を、左の端から丁寧に鏡に貼り付けていく。
「てゆーかこれ絶対退院する時怒られるよー」
大き目の紙を一枚選んだはずだったのだが、どうやら小さかったようだ。
右端が、まるで長方形の鏡の様に出てしまっていたのだ。
「焦ってても最初にサイズ確認くらいはしておくべきだったかも」
急いでバッグの中に紙を取りに行き、戻ろうと振り返った瞬間、無意識に鏡を見た。
そこに映っていたのは、紙を握り締めていた優香――だけではなかった。