キミが居た病院

「とりあえず鏡が無い所でもああなっちゃうから、さっきみたいに負けない心って大事だと思うんだ」

「さっきはなぜか頑張れたんだよね。慣れちゃったのかな? それとも……」

 そう言ってちらっと秋人を見ると、首をかしげている。

「ん? あ、うん、もしかしたら‘一人じゃない’って思えたからかもな!」

「うん。それもあると思うんだぁ。ってかさ、あの、そろそろ……これ、恥ずかしい」

 優香は繋がれた手を見た後、秋人の顔を見上げた。

 最初はキョトンとしていたが、意味が分かったのか恥ずかしそうに笑った。

「悪い! 優香の気持ちも考えないで。ごめんな?」

「ううん……」


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