マスカラ〜年下男子の甘い秘密〜[完]
「ごめん…」
頭を抱いたまま切なそうにそういう蓮に押し返すという行動も忘れていた

何に対しての謝罪だったのかわからなくて顔を上げた時鼻先に冷たい物が触れた

『あ…』
次から次から落ちてくる白い雪を蓮の肩越しに見る

「寒いはずだね…」
私の頭を撫でながら空を見てふっと笑う蓮

しばらく二人で落ちてくる雪を見ていた

「帰ろうか」
身体を離した後眉を下げて笑いながら蓮がいう

『うん…』

こんなに寒い日は家が駅から近い事が嬉しい…

蓮の手の温もりを確かめながら歩き出した
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