ただ あなただけ・・・
「ん――っ!美味しい!」
一口食べると、ストロベリーが口いっぱいに広がる。ドライストロベリーが入っているので食感も味わえる。
私が黙々と食べていると視線を感じる。
「・・・?どうしました?」
手にはアイスが握られているが、口を付けていない。
「やっぱり甘いのダメでした?」
隼人さんは右手で私の髪に触れる。
「妃奈を見ている方がいい・・・」
この人は普段からこうなのだろうか?平気でクサイ言葉を言う。見た目は絶対に言わなそうなのに・・・
私は思わず目線をそらす。面と向かって言われると恥ずかしい・・・・
「・・・・あ!隼人さんっ溶けてます!アイスっ」
今日はいつもより暑いので溶けるのが早かったんだろう、隼人さんのジャケットにアイスが垂れている。