揺れる
 その人がいなくなったら、私は居場所を失って枯れてしまう。



 でも私を知ってほしい。


 過去の幼かった私も、今の私も。



 そしていつか笑って昔話を一緒にして、歩いていきたい。



 二人に未来があるのなら。



 だから最近、私は未来の話をするようになった。



 いつか過去の私を受けいれてくれるように。



 この先私の居場所があなたの隣にあるように。



「未来」という言葉があなたを私から離すことのない、呪文であるかのように私は口にする。



 卑怯だけど、あなたの隣で歩いていきたいから。



―おわり―
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