amoroso
距離
昼下がりの音楽室
デビュー目前で忙しく
久しぶりに香音は音楽室に行った。
旧音楽室の廊下に着くと
聴こえるピアノの音
あっ 先輩いる。
と 胸を踊らせながら
香音はドアを開ける。
丁度 曲が終わったり
「久しぶりだな」
と 響は香音に声を掛けた。
「仕事が忙しかったんです。」
「仕事?」
「うん。私もうすぐ歌手デビューするんです。それで…。」
「ふ~ん。」
と 響は興味なさそうな返事をし
またピアノを弾き始める。
この日の響は機嫌がいいのか
ピアノをずっと弾いていた。
「…疲れた」
と 響がピアノを弾くのを止める。
香音が来てから1時間は経っていた。
「先輩、ピアノ上手いですね。」
「別に…。」
「私小さい頃ピアノ習ってたんですよ。」
「ふ~ん。…弾くか?」
「えっ?!いいんですか?」
「別に俺のピアノってわけじゃないし。」
と 響とピアノ前からどいた。