この美しき世界で
3、石の町『ストラン』
「ね。ギルドの手配書に良い獲物の情報があったわよ。」


ベッドで横になるセロとナツ。隣でシンシアが嬉しそうに一枚の紙切れを掲げている。


手配書とは町や国が懸賞金を出し、罪を犯し逃亡する人間族や魔族の討伐を推奨するものだ。
クラスにとらわれないフリーの依頼と考えてもいいだろう。


三人が滞在するのは石の町と言われる『ストラン』。鉱山資源を主体とし、四方を岩山に囲まれたやや殺風景な町だ。


しかし豊富な鉱山資源は多くの炭鉱夫を集め、その分町も賑わい多くの人間族が出入りしている。


草の町『リフス』から近くおよそ一週間で辿りつく距離ながら真逆の落ち着かない環境だ。


「これが人食いスライムでしょ。これが暴れナメクジ。クラスの割に報酬が良いの。」

「それでこれが役人殺害犯のバッ…」

「あーわかったよ。ギルドいこギルド。依頼を受けよう。な?」


ややうんざりした様子でナツが体を起こす。行動を共にして一週間と少し。シンシアのことが少しずつわかってきた。


彼女が確かな実力と共に兼ね備えるのは周りを巻き込む行動力。


つまりはじっとしていられない性分らしい。


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