罪-ウラギリ-
Ⅰ・親友
春。
桜の花びらが、学校へ続く道をピンク色に染めようとしている。
「華恋~!」
どこからか、私の名前を呼ぶ声が聞こえる。
この声は-…
ドンッ!
「きゃっ!?」
思いっきり誰かが後ろからぶつかってきた。
「あ…葵!」
振り向くと、同じ学年で友ダチである中石葵がいた。
「オハヨー♪華恋」
「おはよう…」
「やっと中三だね~これで先輩に睨まれなくなる★
あ゛今日クラス変えじゃん!!嫌だ、華恋と一緒に居られなくなるなんてぇ!」
葵はそう言って肩を落とす。
「大丈夫よ。離れても部活で一緒なんだから」
「そりゃあそうだけどさ。部活だって秋には引退じゃんー」
私と葵は、イラスト部に所属している。
私は絵が好きだから入ったのだが、彼女は『他の部は厳しいから』らしい。
それってどうなの?と思うが、何も言えなかった。