罪-ウラギリ-
Ⅲ・過去
夜 就寝前の自由時間になっても、二人と話すことはない。
今まで、ずっと私の言葉は無視されていた。
「ねえ!!無視しないでよ。なんで無視するの?」
仲良く話していた二人の動きが止まった。
「なんで?はあ?あんたが嫌いだからに決まってるじゃん」
亜弓が言った。
「華恋みたいにワガママなお嬢さまには、ついていけないよ」
「華恋は何一つ不幸に遭ったことがないから、人の気持ちが分からないんでしょ」
二人は好き放題言っている。私は亜弓がそんな事言ったことに驚いた。
でも、仕方ないよね。
実際に私は酷いヤツだから。
先に裏切ったのは私の方…