イツカミタユメ

そのビルは硝子張りで、エスカレーターが付いた新しい建物だった

ここは人気のスポットなのだろう
凄い人ゴミだ

『屋上で景色を見ようか』
上りのエスカレーターに乗りながら、あいつが言った

『うん』
素直に頷いた

2階につくと団体の客にぶつかった

『あっ』
私とあいつの手が離れてた

お互いに手を伸ばしたけど、あいつの姿が見えなくなる

『どうしょう』
離れるのが怖かった

その時、大きくビルが揺れた
人の叫び声や硝子の割れる音が聞こえる

私はしゃがみこんで震えていた

揺れがおさまり私は頭を上げて、あいつを探す


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